自殺する人は、その前によく何かしらのシグナルを発するといわれている。仮にそれに気付かなかったとしても、自殺前の人がかなりのうつ状態になることは広く知られている。
このアナウンサーも多くの人たちに「うつ状態にある」、そこまでいかずとも「何かしら精神的に問題を抱えているようだ」と映っていたようであるが、誰も手を差し伸べてあげられなかったことは残念で仕方が無い。
こうして亡くなった後で関係者やら知人が、「亡くなる直前彼女はこんな状態で・・・」などと語っているのが腹立たしい。様子がおかしいのに気付いていながら傍観し、亡くなった後でプライバシーに関わることまでベラベラと話してまわる。聞いていて気分が悪い。
実際に有名人は盗聴の危険にさらされる可能性は高いのだろうし、盗聴の事実関係がまだ分からないので軽率な発言はできないけれど、私個人的には彼女が精神的に相当参っていたために「他人に自分の事を聞かれている」と感じたのではないかと直感的に思った。
というのも、かなり精神的に不安定になると、「他人が自分の事を見ている、自分の行動が筒抜けになっている」(=盗聴されている)というような感覚に襲われる人が少なくないのである。
身内に統合失調症を患ったものがいるのだが、かなり状態が悪かった時、家中の扉がすべて閉まっているにもかかわらず「隣のうちの人間に会話を聞かれている」などと怯えたり、散歩でただすれ違った人に対しても「あの人は私の事を見て笑った。なんでだ。私の何がおかしいんだろう。私たちの会話が聞かれていたんじゃないのか。」などと言っていたのをいやというほど見てきた。
自殺未遂も何度もされた。「私が寝ているうちに事を起こされるのではないか」と介護をしていた間はろくに眠ることもできなかったが、発病して10年近く経ち、お陰様で彼女は社会復帰している。むしろ今では私の方が家族に看病されているのだけれど・・・
とにかく亡くなった後にこれだけの情報が出てくるのに、つまりはそれだけ多くの人たちが彼女の変化に気付いていたのに、自殺を食い止めてあげられなかったことが悲しい。
「プライバシー」だとか「個人主義」だとか他人にかかわりを持たない・深入りしない現代社会では仕方が無いかと思う一方で、「自殺をする人の行為に及ぶ直前に見られる様子」に関する情報が広く知られていれば、別に彼女のプライバシーに踏み込まなくとも客観的に「自殺の危険度」を把握することもできただろうな、とも思う。
一応政府も増加する自殺者対策として、自殺する人にみられる様子などを文書にしてHPに載せている。しかしそれすら興味のある人以外内閣府の資料など目を通さないだろうから知られていないだろう。
これ以上自殺者を増やさないように政府はもっと積極的に自殺予防に努めるべきだ。
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